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円堂さんが「後悔は後回し!明日につなげろ!」って言ってたから、
もう5月だけど上げちゃいます。
もう付き合ってる立綱で、ちゅーとかしてます。
* * * * *
「……なんにも起こらないですね」
「んー? ああ、まだ時間じゃないからな」
静かな海を眺めながら呟いた立向居に、隣に並んで座っている綱海が、あからさまに何か企んでいます、という顔で、楽しそうに応じる。
「たしか『百年に一度、太陽が一番高くなった時、南の海の向こうに金色のクジラの大群がサッカーボールを吹き上げながら現れる』っていうのが、綱海さんの故郷の言い伝えなんでしたっけ?」
「そうそう。すっげぇだろ~? 見たいだろ~? なあ、立向居!」
「そ、そうですね! オレ、見たいです!」
ノリノリの綱海に頷いてみせるが、真面目で純粋を絵に描いたような立向居だって、今日…つまり4月1日が、エイプリルフールだということぐらいは知っている。
綱海はきっと、世間の波に乗って立向居をからかおうとしているのだろう。
そんな綱海のいたずら心は可愛くて、思わず信じた振りをして、こうして海辺までついてきてしまった立向居だったけれど。
「綱海さんより年下だけど、オレだってもう中学生なんだけどな……」
「ん? なんか言ったか?」
「いえっ! なんでもありません……けど……」
金色のクジラだなんて、まるでおとぎ話のような嘘に引っかかるほど子供だと思われているのだろうか。
……同じ1年の仲間たちに聞けば「立向居なら信じるかもしれない」と口を揃えて言われてしまうだろうけれど、本人にそんな自覚があるはずもない。
わずかに沈んだ立向居に小さく首を傾げてから、綱海は笑って、立向居の頭をかき混ぜるように撫でてきた。
「そんな顔しなくたってもうすぐ……うぉっ?」
「綱海さん!」
ぐっと表情を引き締めて、立ち上がった立向居は、綱海の正面に回り込んだ。
「おっ、オレの故郷にも言い伝えがあるんです! 待ってるものが、すぐに現れるおまじないなんですけど……試してみてもいいですかっ!」
「試すって……お、おいっ! 立向居っ……!」
答えを待たず、立向居は細い体を降り曲げるようにして、座ったままの綱海に口付けた。
まじないも言い伝えも、もちろん嘘だ。けれど今日はエイプリスフールだし、そもそもの発端は綱海が仕掛けた『嘘』なのだ。
子供扱いにこれぐらいの仕返しをしても、きっと綱海は許してくれるだろう。
唇を塞がれ、んー! と唸った綱海がばしばしと立向居の肩を叩く。
「……っは、たちむか……あれ……っ!」
「え? なんですか綱海さん……って、後ろ?」
綱海に示されるまま海の方へ振り返った立向居の目に、沖に浮かぶ金色の輝きが飛び込んできた。
* * * * *
さて、にーには嘘をついていたのでしょうか?
どちらにしても、たちむのキス得ということで♪
(お礼SS・円風2種+α)
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