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 風丸さんを愛する稲妻11ブログ。現在、凪いでいます。
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拍手にするーと思って書いてたけど、他の書き終わらないし、
最近更新ちっともだし、普通に上げることにしました。

普通に円風です。壁山と栗松も少し。
過去(幼少期)捏造ありなのでご注意下さい。




 * * * * *


 カッ、と窓の外で閃光がひらめき、続いて轟音が轟く。
 同時に食堂の隅でぴたりと寄り添っていた壁山と栗松が、ぎゃあっと情けない悲鳴を上げた。
「なんだ、お前たち、雷が怖いのか?」
 笑った風丸に、後輩たちは震えながらがくがくと頷く。
「こっ、こここ怖いッスよぉー! もし自分に落ちてきたらって思うと…ひえぇぇぇっ!」
「かっ、風丸さんは平気なんでやんスか?」
「オレは別に……」
「風丸だって、昔は雷苦手だったよな!」
 平然と答えたところに横から割り込まれ、風丸は眉間に皺を寄せて声の主をにらんだ。
「円堂! 余計なことを!」
 そんな風丸と円堂を見比べて、壁山たちは目を丸くする。
「キャプテン、それホントでヤンスか?」
「今はぜんぜん平気そうッス。どうして大丈夫になったッスか、風丸さん?」
「そっ、それは……」
 口ごもった風丸の視線が気まずそうに宙を泳ぐ。

 ……あの夏の記憶は、いったいどれぐらい前のことだっただろう。


「風丸ー、大丈夫だって。あ、また光った……」
「っ! うわあぁぁっ!!」
 轟いた雷鳴に負けないほどの悲鳴をあげてしがみついてきた風丸に、円堂は不思議そうに首をかしげた。
「カミナリってそんなに怖いかな?」
「だ、だって! あれって早く走るものに落ちるって言うじゃないか! オレに落ちてきたらどうするんだよ!」
「うーん……カミナリ鳴っても家に入ってれば危なくないってかあちゃん言ってたけどなぁ……」
 怯える風丸を守るようにその背中を抱きしめながらも、円堂はしばし考えこむ。
「あ! そうだ! 風丸っ、……ゴロゴロ、ドッカーン!」
 叫んでばちん、と両手を打ち鳴らした円堂に、風丸は驚いて顔を上げた。
「えっ? 円堂……?」
「へへっ。オレ、カミナリだから! ほらっ!」
 ちょうど閃いた雷光に併せて、円堂が楽しそうに声を上げ、両手を叩く。
「ゴロゴロゴロ、ドッカーンッ!」
「あ……」
 言われてみれば、雷はたしかに円堂に似ている気がする。明るいところも、力強いところも。
「どう? まだ怖い?」
「ううん。もう平気……」
 にっ、と笑った円堂に、風丸は首を振った。
 大人から何を言われても消えなかった雷への恐怖は、風丸の中からいつの間にか消えてしまっていた。


「……るさん、風丸さんっ!」
「え? あ、ああ……」
 名を呼ばれ、風丸は思い出から現在へと引き戻された。
「ぼーっとして、どうしたでヤンスか?」
「なんでもない。まあ、お前たちだってそのうちに雷が大丈夫になるだろ」
 適当なことを言って会話を流しながら、風丸は懐かしそうな顔で笑っている円堂をもう一度横目で睨んだ。


 * * * * *


夏をテーマにしたSS、3つのうちの一つ。残り2つも書けたら上げます!

夏嵐です。雷です。そしてちっちゃ円風です。幼なじみばんざーいっ!
はじめて見た時、唐突でなんとなーく不自然だなーと思った
オカルト戦のあれを円風エピソードとして活用してみたかったわけです。
……今さらとか言わない!

子供のぶっとんだ思考回路がそれっぽく書けてるといいなー。

 

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