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 風丸さんを愛する稲妻11ブログ。現在、凪いでいます。
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Nさまよりいただいたリクエスト
> 自分の方が身長低いことを気にする円堂さんから始まる
> ほのぼのらぶらぶ円風。場所は雷門中校舎内のどこかか保健室。

タイトルからして、どの辺がほのぼのらぶらぶ?って感じですが、
とりあえず日常っぽい仲良し円風にはなってると思いますっ!




 * * * * *


 非常階段の踊り場に胡座をかいて、風丸は弁当の足しに買ったカツサンドを食べ始める。
 風丸の一つ上の段に座った円堂もまた、購買で買い込んできた昼食を広げた。
「いっただっきまーす!」
 言うと同時に猛然と食べ始めた円堂を、風丸は半ば呆然と見上げる。
 コロッケロールとシャケのおにぎりを両手に持ったかと思うと、あっと言う間にそれを食べ尽くし、牛乳をぐっと飲み干す。そしてすぐに2本目の牛乳を引き寄せた円堂は、膝の上に抱えていた梅のおにぎりとメロンパンをがさがさと開封する。
「え、円堂……今日はまたずいぶん食うな。まさか朝飯食ってこなかったのか?」
 聞いてから、そんなはずはないと思い直す。2限の後の休み時間に円堂の教室を覗いた時、円堂はまさかの早弁中で、木野や豪炎寺からも苦笑されていたではないか。
 案の定、円堂は食べながら首を振る。
「はべへひはほ。へほ、ははへって……んぐっ!」
 食べてきたよ。けど、腹減って……おそらくそう言いかけて喉を詰まらせた円堂に、風丸は苦笑しながら、一口だけ飲みかけていた自分の牛乳を手渡してやった。
「バカ、食い終わってから話せって。ほら」
「っ、は……サンキュ、風丸……っ」
 ごくごくと牛乳を飲んだ円堂が、息も絶え絶えに礼を言ってくる。一息ついてから、円堂は風丸の頭のてっぺんあたりをちらりと見下ろしてきた。
「だあってさぁ……」
「ああ、なるほどな」
 拗ねたように膨れたその様子に、納得した風丸はぽん、と手を打った。
「昨日の健康診断で、オレより背が低かったのを気にしてるってわけか」
「っ!」
 やはり図星だったらしい。のぞき込んでいた姿勢から仰け反るようにして、円堂が息を飲む。
「だけど円堂、そんなに食ったって、すぐ背が伸びるもんでもないだろ?」
「そんなことない!」
 言い返してきた円堂に、風丸は目を細めて腕を組む。
「そうか? まあ、どっちにしてもそう簡単には抜かされないけどな」
「くっそ~! 次は絶対絶対絶対に追いついてみせるからな!」
「……なんだよ、今年はずいぶんムキになってるな」
 らしくない円堂に首をかしげた風丸に、円堂はぐっと拳を握りしめた。
「だってさ、恋人より背が低いって、なんか嫌じゃん!」
「なっ! そんなのオレだって同じだよ!」
 まさか円堂がそんな男のプライドを刺激されていたなんて。予想外の言葉に、風丸もつい、ムキになって言い返してしまう。
「だいたいここまでずっとオレの方が高いんだぞ? 来年だってオレの方が高いに決まってる!」
「いーや、今年は去年より差が埋まってたし、来年こそは絶対追い抜いて、風丸より背が高くなってみせるって!」
「言ったな!」
 むっ、としばしのにらみ合いの後、現在有利な風丸がニヤリと口元を崩した。
「わかった。もし次の健康診断でお前がオレより背が高くなってたら、何でも一つ、お前の言うこと聞いてやるよ」
「……えっ!?」
 挑戦的な台詞に、円堂が毒気を抜かれたようにぽかんとして、ぱちぱちと瞬く。
「その代わり、お前がオレより低いままなら、オレの言うことをなんでも一つ……」
「なあ風丸、それホント? なんでもって、なんでもいいの?」
 風丸の言葉を遮った円堂が、ちょいちょいと風丸を手招く。
「……なんだよ」
「たとえばさぁ……」 
 こんなのでも? と耳打ちされた内容に、ぎょっと目をむいた風丸の頬がかぁっと赤くなった。
「ちょっ! まて円堂、お前、どっからそういうこと……っ」
「だって、なんでもって言うからさぁ。……駄目?」
 尋ねられて、口元を押さえながら円堂をにらんでいた風丸の目が泳ぐ。言い出したのは風丸だ。たとえ円堂が何を望むのだとしても、後に引くわけにはいかない。
「うっ…わ、わかった。いいぜ。……でもお前が勝ったらだからな!」
「やった! よっし、それじゃ、頑張って風丸より背を伸ばすぞー!」
 一瞬で上機嫌になった円堂が、笑顔で宣言しながら手にしていた牛乳にまた口をつける。
「あっ! 円堂、それはオレの牛乳だ! オレが飲むんだから返せ!」
「いいじゃん、ちょうだい」
「よくないっ! っていうか、こぼすぞ円堂っ!」
 焦りながらカツサンドを弁当の包みの上に置いた風丸は、牛乳を取り返すべく、円堂に向かって手を伸ばした。


 * * * * *


円堂さんは、何かすごいことを風丸さんに要求した模様です(笑)

おかげで「ほのぼのらぶらぶ」を通り越して、
うっかり「らぶらぶイチャイチャ円風」になってしまいました。

Nさま、リクエストなのに想像力にお任せするような内容ですみませんっ!
気に入っていただけると良いのですが…。でも、とにかく楽しく書かせていただきました!


身長と言えば、ニンドリに載ってたボツ設定では
風丸さんはすごく背が低い(小柄で素早い)はずだったらしいですね。
円堂さんの肩より下っていうか、
フォルム的には少林寺ぐらいの心意気だったっぽい?
うーん、想像つかないわぁ…!

でも、そんな設定の風丸さんでも何か書いてみたいですね!
萌えるぜ恋人の身長差ネタ…!

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