10 ずっと一緒／10の優しい恋

円風でお題　「10の優しい恋」　（モモジルシ様からお借りしました。）
順不同、スローペースで展開予定。どれも多分短いです。

１　遠くにいても　（済）
３　おでこにキス （済）
８　愛してる　（済）
９　包んだ手　（済）

≫10　ずっと一緒（※　円風、付き合ってるよーな、これから付き合うよーな）

　＊　＊　＊　＊　＊


「10年って、けっこうあっという間だよな」
「突然どうしたんだ、円堂」
　しみじみと呟いた円堂に、風丸が笑って問いかけた。
「うん、考えてみたら、風丸と俺が初めて会ってからもう10年くらいは経ってるなって」
「えっ？」
　言われて風丸も記憶を辿る。
「ああ、そうだな。たしかにもうそのぐらいになるのか……」
「だろ？」
　頷いて、円堂は目の前の風丸をじっと見つめる。
「そっかぁ……俺、それだけ風丸と一緒にいるんだな」
「っ、なんだよ、改まって言うようなことか？」
　真っ直ぐに見つめられた風丸が、照れて少しだけ視線を外した。
「言うようなことだよ。なんか感慨深くてさ」
「……円堂、『感慨深い』って今日の国語で習ったばっかりだろ」
「へへっ、バレた？」
　風丸の鋭い指摘を笑って逸らす。
「だけど、感慨深いのは本当だよ」
　小さな頃からの思い出の数々が、円堂の頭の奥でぐるりと回った。
「なあ風丸、このまま一緒にいたら、いつの間にか20年とか30年とか過ぎてて、２人でびっくりしたりするかな？」
「おいおい……いつまで俺と一緒にいる気なんだ？　先の事は判らないだろ？」
　ごく常識的な風丸の答えに、円堂はう～ん、と首を捻る。
「オレはこの先、ずっと風丸と一緒に居たいと思ってるけどなぁ」
「えっ？」
「たしかに先の事はわからないから、もしかしたら予想もつかないような事があったり、何かの理由で離れ離れになったりするかもしれない」
「……っ！」
　僅かに動揺した風丸に構わず、円堂は言葉を続ける。
「けどさ、判るんだ」
　にっ、と笑った円堂が、何気ない素振りで風丸の手を取る。
「オレと風丸の道はいつかは絶対一つになって、10年後も、20年後もオレたちずっと一緒にいる、って！」
「まったく……どこから来るんだ？　お前のその自信は」
　苦笑交じりの言葉を返しながらも、風丸は円堂のその手を解くことなく、しっかりと握り返した。


　＊　＊　＊　＊　＊

こんな時だからこそ、普通に幸せに円風！
そしてあの後二人が結婚するまでの脳内ストーリー補完は完璧です。
どんと来ーい！

幼なじみ、勝手に10年ものにしてみた。出会いは幼稚園くらい？


お題　５／１０　クリア。